ブログ
Blog
睡眠時無呼吸の一般的な治療法と矯正歯科での治療例について
2025.12.02
歯科皆様こんにちは。今回も「睡眠時無呼吸の一般的な治療法と矯正歯科での治療例について」というテーマで前回に引き続き睡眠時無呼吸についてのお話しします。
閉鎖型睡眠時無呼吸(OSA/Obstructive Sleep Apnea)の一般的治療法は、専門の睡眠外来・睡眠センター、一般内科、呼吸器内科、循環器内科、耳鼻咽喉科など他科にて診断後、マスクを介して持続的に気道に空気を送り上気道の拡張を図る持続的陽圧呼吸治療(CPAP/Continuous Positive Airway Pressure、)下顎、舌を前方に位置付けることにより睡眠時の上気道の拡張を図る口腔内装置によるOA(Oral Appliance)治療が選択されますが、CPAP治療はマスクに対する不快感や呼吸の息苦しさになどで向き不向きがあり、OA治療では顎関節症に伴う下顎の運動制限がある場合、重度の歯周炎・不正咬合がある場合には適用できません。また小児の場合、アデノイドつまり咽頭扁桃や口蓋扁桃(図1)の肥厚が原因となる場合が多く、それらの切除術が第一選択となります。矯正歯科での治療例として、下顎の小さい小顎症や上顎の歯並びが狭い狭窄歯列など顎顔面の劣成長に起因する骨格性上顎前突の小児OSAの場合、下顎骨の成長誘導や上顎骨の急速拡大により鼻腔や咽頭気道を拡張し、鼻呼吸障害と睡眠呼吸障害の改善を図るという治療になります。成長期にある上顎前突を伴う小児OSAに対してTwin block Applianceという機能的矯正装置の装着により、下顎骨の前方成長の促進と無呼吸低呼吸指数(AHI/Apnea Hypopnea Index)の減少と動脈血酸素飽和濃度(SpCO2/成人正常値:SpO2の正常値は96~99%)の回復という結果が出ています。また、顎矯正手術を行った下顎後退を伴う成人OSAに対して、Le FortⅠ型骨切術(Le FortⅠOsteotomy)と下顎枝矢状分割術(SSRO/Sagital Split Ramus Osteotomy)の併用により、成長期にある上顎前突を伴う小児OSA同様、上下顎骨前方移動による上気道の拡張と鼻腔抵抗の減少に加えて、表1、図2の通り、無呼吸低呼吸指数(AHI/Apnea Hypopnea Index)の減少と動脈血酸素飽和濃度(SpCO2/成人正常値SpO2/正常値:96~99%)の回復という呼吸機能が改善という結果が出ています。
歯科医師による不正咬合の検査・診断、日常の臨床を通じて、患者様の上気道の狭窄や閉鎖型睡眠時無呼吸(OSA/Obstructive Sleep Apnea)の関連症状に遭遇する場合が多く、閉鎖型睡眠時無呼吸(OSA/Obstructive Sleep)の疑いがある場合、医科への紹介や連携治療が必要な機械は今後、増加すると思われます。
本日は「睡眠時無呼吸について一般的な治療法と矯正歯科での治療例について」というテーマでお話をしました。


