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歯科矯正用アンカースクリューの概要について
2026.01.20
歯科皆様こんにちは。本日は「歯科矯正用アンカースクリューの概要について」というテーマでお話しします。
歯科矯正用インプラントは矯正臨床の場では、一般的に浸透していますので、皆様もご存じかと思います。「外科的矯正治療における顎矯正手術後の顎間固定時に使用するチタン製スクリューを1980年、Creekmoreらが歯の移動に応用することから始まり、スクリューを顎骨に植立し、顎骨と骨結合させ、歯を動かすための土台つまり固定源として使用することとなりました。矯正用アンカースクリューにより「スケレタルアンカレッジ」という概念が生まれました。彼らは、上顎骨の前方部で上顎両側中切歯間にあって、鼻の基部に関わり鼻中隔と連結している前鼻棘の直下に植立し、上顎前歯の圧下させることに成功しました。Robertらは下顎臼歯部の顎骨に人工歯根を埋入後、人工歯を装着したデンタルインプラントと前歯部をバイパスワイヤーで連結、これを固定源とし歯の欠損部に大臼歯を近心移動させています。その後、日本の他、韓国、台湾など東アジアでは新たに歯科矯正用ミニスクリューや歯科矯正用アンカープレートなどの矯正歯科専用のアンカレッジデバイスが開発され、新たな治療法の幕開けとなりました。欧米ではTAD(Temporary Anchorage Device)、日本ではOAS歯科矯正用アンカースクリュー(Orthodontic Anchoring Screw)と呼ばれ、2012年にわが国では薬事承認を取得しています。生体に対し親和性が高く、侵襲が少ないチタン合金(Ti-6 V-4 AI)製の歯科矯正用ミニスクリューが、TADのうち使用頻度が最も高く、当院でも使用しています。しかし、その普及に伴い、使用方法については併発症を招く結果となるため、植立予定部位については、模型、X線CT,パノラマX線写真、デンタルX線写真などによる術前検査が必要となります。特に歯科矯正用アンカークリュー植立に必要な骨の厚みの確認や、隣接する歯根に障害を与える可能性があり正確な植立位置の確認が必要となる場合は、X線CTやステントを使用し、植立位置の検査が必要になります。植立部位については、解剖学的構造を把握するとともに骨の厚み、歯根の位置、脈管や神経の存在などに注意する必要があります。特に上顎骨において、頬側は上顎洞の位置、上顎前歯根尖部では切歯孔や鼻腔の位置、口蓋部では大口蓋動脈の存在と鼻腔の位置を確認した上で、穿孔や脈管や神経を損傷させないように、また歯根間の狭窄部においては、歯根や歯槽骨に損傷させないような注意が必要になります。
本日は、「歯科矯正用アンカースクリューの概要について」というテーマでお話しました。次回は、「歯科矯正用アンカースクリューの利点と併発症について」というテーマでお話しします。