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「腸活というアレルギー対策について」
2023.02.22
未指定皆様、こんにちは。
本日は「腸活というアレルギー対策について」という内容を中心にお話します。
近年、腸で訓練されているはずの免疫細胞が暴走し本来攻撃する必要がない細胞を攻撃してしまうという異常が現代人に急増しているようです。
そのような「免疫の暴走」を招く代表的な疾患として「アレルギー」や免疫細胞が自身の細胞を攻撃する「自己免疫疾患」が挙げられます。
このような疾患を持つ患者さんの腸内細菌には特徴的な所見として、約100種類の「クロストリジウム菌」の中には、病気を引き起こす有害な菌もいるようですが「免疫細胞の暴走」の抑制に関わると考えられているある特定の菌種が明らかに少ないということが最近の研究で明らかになったそうです。
腸内で減少している腸内細菌である「クロストリジウム菌」の働きによって、大阪大学特任教授 坂口志文先生が発見した「制御性T細胞(Treg細胞)」と呼ばれる免疫細胞が、腸内で作られていることが最新の研究で分かってきました。
「制御性T細胞(Treg細胞)」はT細胞と呼ばれるリンパ球の一種で、骨髄の中で作られた前駆細胞が胸腺と呼ばれる臓器での選択を経て分化、成熟した免疫細胞の一つです。
T細胞の中で「活性化型T細胞」は、免疫を活性化するため、病原体や異物を排除するための免疫反応を引き起こしますが「制御性T細胞(Treg細胞)」は「制御性T細胞(Treg細胞)」に特異的に発現する転写因子たんぱく質であり「制御性T細胞(Treg細胞)」の分化や機能をコントロールするFoxp3を発現して他のT細胞の過剰な免疫反応を抑制的に調節する重要な役割を持つことが分かってきました。
この「制御性T細胞(Treg細胞)」の作用により、体中の各所で過剰に活性化、暴走した免疫細胞が抑えられるため、「アレルギー」や「自己免疫疾患」が抑えられていることが分かってきました。
この「クロストリジウム菌」は腸内の「食物繊維」を餌とし、「酪酸」と呼ばれる物質を盛んに流出し、「酪酸」には腸内に集結する免疫細胞に抑制的なメッセージを伝える役割があります。
「クロストリジウム菌」が放出した「酪酸」が腸壁の穴を通して、その内側にいる免疫細胞に受け取られますと「制御性T細胞(Treg細胞)」に分化します。
腸内で「クロストリジウム菌」が出す「酪酸」が少なくなると、「制御性T細胞(Treg細胞)」も適正に生み出されなくなると考えられているため、「アレルギー」や「自己免疫疾患」は「制御性T細胞(Treg細胞)」の腸内での働きが弱くなっている可能性が考えられます。
今や世界中で急増している「アレルギー」や「自己免疫疾患」ですが、「制御性T細胞(Treg細胞)」を増やすことが、これらの疾患の増加を抑えられる鍵と考えらます。
図の通り、理化学研究所 大野博司先生は、「クロストリジウム菌」の餌となる「食物繊維」を多く摂取することで、「酪酸」が盛んに放出され、結果、腸内の「制御性T細胞(Treg細胞)」が増殖することを突き止めました。
神戸学院大学 栄養学部 栄養学科教授 田中清先生によりますと、1998年以降、花粉症の有病率は10年ごとに10%増加し、2019年には42.5%の方が罹っているということだそうです。
近年、大人の食物アレルギーが増えているようですが、食後、間もなく反応が出る方であれば、アレルギーと気が付くでしょうが、時間が経ってから頭痛、倦怠感、便秘などの消化器症状が出る「隠れアレルギー」と呼ばれる遅延型アレルギーの方も増えているようです。
原因物質に触れると即時にアレルギー反応が出る花粉症のような通常の即時型アレルギーの他、食物摂取に対する遅延型アレルギーも、腸内環境と密接な関連性があることが分かってきたようです。
腸内粘膜の状態が悪くなるとバリア機能が低下し、消化しきれない食物が大きな分子のまま腸から吸収され、いわゆる「腸漏れ」が起こります。
遅延型アレルギーを引き起こすメカニズムは、本来、この大きな分子は侵入するはずのない物質ですから、異物と認識されるため、それに対する抗体(免疫物質)ができてしまい、それ以降、その食物を摂取するたびに「隠れアレルギー」が生じるというものです。
食物繊維をしっかり摂取することで、良好な腸内環境になれば、免疫の暴走が抑制され、バリア機能の改善も期待できるので、様々なアレルギーやリウマチなどの自己免疫疾患への対策として良好な腸内環境を獲得することが重要になるということのようです。
ちなみに、日本の男性の7割、女性の9割に足りてないと言われているビタミンDも「制御性T細胞(Treg細胞)」を増やすのに重要とされているようです。
本日は「腸活というアレルギー対策について」という内容を少し拡大して田中清先生のお話を中心に大変、興味深いお話をさせて頂きました。腸は免疫に重要な細胞が集結している重要な臓器であることがわかりました。また最近、脳との関連性もあるようです。

【監修者】
矢澤 貴(やざわ たかし)
【略歴】
東京都渋谷区生まれ 成城中学・高等学校(東京都新宿区)卒業
1989年 3月 日本歯科大学 生命歯学部 卒業
1989年 6月 同大学 臨床研修医 着任
1990年 3月 同大学 臨床研修医 修了
1991年 9月 磯貝矯正歯科医院(埼玉県八潮市)勤務
2016年 1月 藤城矯正歯科(東京都世田谷区)勤務
2017年12月 半蔵門スマイルライン矯正歯科(東京都千代田区)開院
2023年 4月 日本歯科大学 生命歯学部附属病院 矯正診療科 臨床講師 着任
【在籍・所属】
日本歯科大学 生命歯学部 附属病院 矯正診療科
日本矯正歯科学会 認定医
東京矯正歯科学会
甲北信越矯正歯科学会
米国矯正歯科学会