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不正咬合の予防の目的・意義、歯列のステージ別の予防法について
2024.09.04
歯科皆様こんにちは。
一般的に不正咬合は、多因子疾患は遺伝的要因だけで発症する単一遺伝性疾患や環境的要因だけで発症する外傷性疾患や特定の病原体による感染症とは異なり、歯科三大疾患の一つである顎関節症(TMD)同様、遺伝的要因と環境的要因が関わって発症する多因子疾患と考えられています。多因子疾患は単一遺伝子の変異が原因とされる単一遺伝性疾患とは異なり、複数の疾患関連遺伝子の相互作用の他、環境的要因が関与して発症しますが、遺伝的要因と環境的要因の割合は多因子疾患ごとに異なる様です。そこで本日は「不正咬合の予防の目的・意義、歯列のステージ別の予防法について」というテーマでお話します。
不正咬合の予防についてですが、疾病予防レベルは3相5段階に分けられていて、まずは一次予防として定期検査を行い、明確な原因があり予防可能な場合、特異的予防法として予防矯正を行います。さらに、二次予防では不正咬合の早期発見として、定期検査を行い、早期治療、進行阻止として抑制矯正を行い、三次予防では機能回復と回復後の機能維持のため、本格矯正ならびに保定が行われます。
不正咬合の予防の目的・意義は、不正咬合の病因の中で口腔領域における局所的な原因を除去後、不正咬合の進展を抑制し、正常な歯列・咬合を獲得する事にあります。早期発見や早期治療が二次予防に相当しますが、要因によっては、必ずしも正常な永久歯列獲得できない事もあり、治療の効果と限界についても十分考慮する必要があります。
では具体的に3つの歯列のステージごとの予防法については以下の通りです。
ア.乳歯列で必要な予防
1.歯列の保隙
2.咬合の機能的偏位がある場合
3.上下顎の前後的位置関係のズレがある場合
4.口腔習癖がある場合
イ.混合歯列で必要な予防
混合歯列期(咬合発育段階/ⅢA)の予防は、予防矯正や抑制矯正を行い不正咬合の原因を改善、除去する事です。これにより、乳歯交換後、正常な永久歯の萌出がなされ、永久歯列とその咬合が良好に誘導され、不正咬合の発現、重篤化を防止するという意味では意義が大きいと考えます。また、上下顎の前後的位置関係のズレの早期改善および口腔習癖の除去も乳歯列期と同様、重要と考えます。
1.過剰歯の抜歯
2.大きさや形態に問題がある歯がある場合.
3.先天性欠如歯がある場合
4.上唇、頬、舌小帯の付着位置、肥厚などの異常がある場合
5.乳歯の早期喪失による保隙が必要な場合
6.晩期残存している乳歯がある場合
7.骨性癒着した歯がある場合
8.口腔習癖がある場合
ウ.永久歯列で必要な予防
1.歯周疾患がある場合
2.萌出余地不足による萌出異常がある場合
本日は、不正咬合の目的・意義、さらに歯列のステージ別に必要な具体的な予防法についてお話しました。
【監修者】
矢澤 貴(やざわ たかし)
【略歴】
東京都渋谷区生まれ 成城中学・高等学校(東京都新宿区)卒業
1989年 3月 日本歯科大学 生命歯学部 卒業
1989年 6月 同大学 臨床研修医 着任
1990年 3月 同大学 臨床研修医 修了
1991年 9月 磯貝矯正歯科医院(埼玉県八潮市)勤務
2016年 1月 藤城矯正歯科(東京都世田谷区)勤務
2017年12月 半蔵門スマイルライン矯正歯科(東京都千代田区)開院
2023年 4月 日本歯科大学 生命歯学部附属病院 矯正診療科 臨床講師 着任
【在籍・所属】
日本歯科大学 生命歯学部 附属病院 矯正診療科
日本矯正歯科学会 認定医
東京矯正歯科学会
甲北信越矯正歯科学会
米国矯正歯科学会