ブログ
Blog
舌位や舌癖と全身の姿勢との関連性について
2024.07.23
歯科皆様こんにちは。
MFT(Oral Myofunctional Therapy)口腔筋機能療法ってご存じでしょうか。
口腔習癖や口唇閉鎖不全、低位舌など非生理的な口唇や舌の安静時の姿勢位や構音時、摂食・嚥下時の口腔周囲筋の非生理的な運動パターンを改善するための訓練法の事で、矯正治療においてMFTは重要な役割を担っています。
正常な舌位は安静時では口唇がリラックスした状態で閉じている時は、口蓋のくぼみ(スポット)に接触している状態を維持でき、咀嚼・嚥下時には歯を押していない状態ですが、矯正治療の患者様の中には、口唇が半開きの状態で舌位が口腔内の前方や下方にズレていて、咀嚼や嚥下時には舌が歯を前方に押したり、上下の歯の間から出る癖が長期化する事で、歯列に加わる筋圧に不均衡が生じるため、歯列や嚙み合わせが悪くなると考えられています。矯正治療とともにMFTが必要と思われるケースです。
本日はMFTに関わるお話として、「舌位や舌癖と全身の姿勢との関連性について」というテーマでお話し致します。
舌位・舌癖は全身の姿勢と密接な関係があると考えられて、姿勢が悪い状態のままでは正しい舌位を維持する事ができないので、MFTの指導の際、まずは良い姿勢で行う必要があります。
正しい姿勢を認識できないという患者様の場合、MFTのトレーニングの前に正しい姿勢の指導から始める必要があります。
ア)舌位が悪かったり、舌癖がある方の全身の姿勢の3つの特徴
1.頭部が前傾している
2.肩が前方に出ている
3.猫背
このような姿勢は首や肩の筋肉を緊張させ、下顎位を変えてしまうため、肩こり・頭痛・顎関節症などを誘発させる可能性があるとされています。
ィ)姿勢や舌位を悪くする主な原因
1.アレルギーや鼻疾患による口呼吸
2.パソコン・ビデオゲーム・スマートフォンなどの長時間の使用
3.デスクワークや前傾姿勢での作業
4.睡眠態癖
これらの原因が引き金となって正しくない舌位や舌癖を惹起させる可能性があります。
口呼吸する方の場合、口から肺につながる空気の通り道を作るために、口唇を半開きにしたまま、舌と下顎を下方へズラしてしまい、この状態が長期化すると口唇や舌の弛緩、下顎骨の開大、舌骨の下方転位、頚椎の前傾、上顎歯列の狭窄、開咬の原因となります。
また、口呼吸は食べ方にも関連性があります。
食物を口に入れて咀嚼する場合、口唇を閉じ、鼻呼吸をしながら、臼歯部で細かくすり潰す必要があります。
この時の舌は食物を臼歯部の咬合面に送るため、後方に向かって引かれるように動きますが、鼻が詰まった状態で、口呼吸する方は、口唇を閉じた状態では息ができませんので、口唇を開けたまま、口で息をしながら咀嚼しています。これがクチャクチャ音を立てて食べる癖の原因と考えられます。
また、口呼吸する方は、口の中に長時間食物を留めておくと息苦しいので、小臼歯付近で何回か食物を嚙み砕くだけで飲み込んでしまう傾向にあって、大臼歯での咀嚼と比較すると、舌の動きはかなり鈍い様です。
また、猫背で首が前に前傾した姿勢で食事をすると食道も前傾するため、嚥下の際は下顎をしゃくって飲み込まなくてはならず、不適切な筋肉の機能を引き起こすと考えられます。
本日は、MFTのお話の前に舌位や舌癖と全身の姿勢との関連性についてお話を致しました。正しい姿勢を意識して生活することが重要だと考えます。
【監修者】
矢澤 貴(やざわ たかし)
【略歴】
東京都渋谷区生まれ 成城中学・高等学校(東京都新宿区)卒業
1989年 3月 日本歯科大学 生命歯学部 卒業
1989年 6月 同大学 臨床研修医 着任
1990年 3月 同大学 臨床研修医 修了
1991年 9月 磯貝矯正歯科医院(埼玉県八潮市)勤務
2016年 1月 藤城矯正歯科(東京都世田谷区)勤務
2017年12月 半蔵門スマイルライン矯正歯科(東京都千代田区)開院
2023年 4月 日本歯科大学 生命歯学部附属病院 矯正診療科 臨床講師 着任
【在籍・所属】
日本歯科大学 生命歯学部 附属病院 矯正診療科
日本矯正歯科学会 認定医
東京矯正歯科学会
甲北信越矯正歯科学会
米国矯正歯科学会