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咀嚼機能の発達から加齢変化について
2026.04.01
歯科皆様、こんにちは。
本日は口腔機能の一つであります咀嚼について「咀嚼機能の発達から加齢変化について」というテーマでお話しします。
出生直後にみられる吸綴運動は生まれ持った本能的な反射ですが、咀嚼運動は口腔顎顔面の様々な器官や中枢神経系の発達や高度な運動学習が不可欠とされています。例えば、先天性食道閉鎖症や先天性腸壁無神経症の小児は、経口摂取はできませんが、構音などの他の口腔機能は正常に獲得できます。また、数年間、胃瘻や静脈栄養で成長期完了した後、外科的処置により、食道や腸管機能が獲得できれば、経口摂取ができるようになります。しかし、すぐに食物摂取ができない吸綴や離乳食の摂取の経験がない乳児が、同年齢の小児と同程度の咀嚼・嚥下を行えるようになるためには、長期に及ぶ訓練が必要になります。つまり、咀嚼運動は、吸綴や離乳食の摂取を経て、徐々に成人と同等の固形物を中心とした食物摂取が行えるようになるためには、年単位の運動学習を経てようやく獲得できる機能になります。一般的には、乳前歯が萌出する生後6か月頃に「咬む」という動きが始まります。軟らかい食物は、上下顎臼歯部の歯肉提で挟んで潰すという疑似的な咀嚼運動が行われ、上下顎乳臼歯が生えてくる1~3歳では臼歯間の食物の咬断を伴う咀嚼が行われます。この時期に、う蝕や外傷による歯の喪失・重篤な不正咬合がありますと、咀嚼運動獲得に障害が起こる可能性があります。また、出生時の咀嚼筋は咬筋が小さく、側頭筋が大きいため、乳歯歯列での咀嚼運動は咬筋より側頭筋が優位となりますが、成長に伴い咬筋が大きくなるため、永久歯列期での咀嚼運動は、咬筋が優位になります。また、新生児は、下顎頭を収める下顎窩が浅いため、下顎頭の動きには自由度が高いようですが、成長するにつれ、下顎窩が深くなり、下顎頭は運動制限を受けるため、下顎位が安定します。年齢とともに咬筋は発達し、それに伴い咬合力も増加しますが、咀嚼能力については、9~11歳頃の乳臼歯の脱落に伴い、一時的に低下するが、その後は成長が終了するまで、上昇するとされています。その後、成人期以降は加齢に伴い、間接結節は平坦化して下顎頭の可動性が増すとともに、咀嚼筋の筋力は低下します。高齢者になりますと、筋力低下とともに臼歯の喪失や唾液分泌量の減少により、咀嚼能力は著しく低下します。つまり、食片の粉砕や臼磨運動の低下、食塊形成能力の低下により、嚥下までの咀嚼回数、つまり嚥下閾は増加する傾向となります。
本日は、「咀嚼機能の発達から加齢変化について」というテーマで、咀嚼の概要についてお話ししました。