ブログ

Blog

保定(retention)について

2024.02.29

歯科
皆様、こんにちは。
本日は、矯正治療後において重要であります「保定(retention)について」というテーマでお話します。
保定(retention)とは、動的治療により歯並びを治すため目的の位置にそれぞれの歯を動かした後、顎骨を含めて、長期間、その位置と状態を維持、安定できる条件を整える処置のことを言います。
矯正治療後においては後戻り(relapse)が生じるリスクを伴っていて、矯正歯科医にとっては、歯を動かすことより歯を動かした位置に維持しておくことの方が難しいとされています。
そのため、後戻り(relapse)防止に対する処置であります保定は重要と考えます。
力学的環境に対する生理的反応を利用する矯正治療においては、生体にとって新しい口腔内環境に適応するためには時間が掛るということになりますので、保定(retention)とは一定期間、後戻り(relapse)が生じないように処置することでもあります。
下記の通り、保定は主に自然的保定、機械的保定、永久的保定の3つに分けられます。
1.自然的保定
動的治療により得られた新たな咬合状態を自然な力で維持することをいいます。
不正咬合を改善し、正常な機能を獲得した後、後戻り(relapse)が考えられにくい場合が該当します。
歯列が安定し、自然的保定が期待できるための条件としては、
矯正治療後、咀嚼筋、顔面筋、舌筋などの口腔周囲筋が正常な機能力となって、獲得した咬合を安定させ保定力に転化した状態であること、正しい上下の前歯位置関係(被蓋関係)や奥歯の咬み合わせ(咬頭嵌合)、歯と歯のとなり同士の接触(隣接面接触)などの咬合関係自体が保定力に転化した状態であること、
顎骨を含めた歯の支持組織が動的治療によって得られた新たな環境に対して適応して保定力に転化した状態であることとしていますが、通常、動的治療後は器械的保定を行った後、自然的保定に移行するというのがほとんどです。
2.器械的保定
動的治療が終了した後、自然的保定が得られるまで、何らかの器械的装置に頼って保定を行うもので、装着する装置を器械的保定装置といいます。
3.永久保定
長期にわたり器械的保定を行っても後戻り(relapse)が懸念される場合、永久的に固定し保定を行うものです。

本日は保定についてのお話をしました。





保定(retention)について
【監修者】
  矢澤 貴(やざわ たかし)
【略歴】
  東京都渋谷区生まれ 成城中学・高等学校(東京都新宿区)卒業
  1989年 3月 日本歯科大学 生命歯学部 卒業
  1989年 6月 同大学 臨床研修医 着任
  1990年 3月 同大学 臨床研修医 修了
  1991年 9月 磯貝矯正歯科医院(埼玉県八潮市)勤務
  2016年 1月 藤城矯正歯科(東京都世田谷区)勤務
  2017年12月 半蔵門スマイルライン矯正歯科(東京都千代田区)開院
  2023年 4月 日本歯科大学 生命歯学部附属病院 矯正診療科 臨床講師 着任
【在籍・所属】
  日本歯科大学 生命歯学部 附属病院 矯正診療科
  日本矯正歯科学会 認定医 
  東京矯正歯科学会
  甲北信越矯正歯科学会
  米国矯正歯科学会