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咀嚼機能に関わる咀嚼筋群について

2023.12.23

未指定
皆様、こんにちは。
本日は矯正歯科でも重要な「咀嚼機能に関わる咀嚼筋群について」というテーマでお話をします。
文中には専門用語を多用しておりますので、読みにくいかと思いますがご容赦下さい。
下顎の運動は筋肉が動くことにより行われていますが、下顎の運動を発動、さらに運動の方向や大きさを決めるのは筋肉系と神経系との協調作用とされていて、これらの制御機構を神経筋機構と言います。
下顎の運動機能は、咀嚼筋群、舌骨上筋群、舌骨下筋群、前頸筋群、後頸筋群などの筋肉が関わっていますが、特に咀嚼筋群は咀嚼機能に直接関わっていて、矯正歯科における咬合機能に重要な役割を持っています。
筋肉の両端はそれぞれ骨に付着していて、筋肉が収縮する際、動きが小さい方の端を起始、動きが大きい方の端を停止と言うのですが、咀嚼筋の場合、頭蓋骨を起始として、下顎骨に停止します。咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋などの筋肉を咀嚼筋群と呼びます。
1.咬筋
咬筋は頬骨弓下縁を起始として後下方へ向かい下顎枝外側面の咬筋粗面下部と下顎角部付近など、下顎骨の外側面全域に停止する方形の筋肉です。咬筋は2層に分かれていて、浅層は上方から後下方に向かい、深層は後方から前下方に向かい咬筋粗面の上部に停止しています。咬筋が収縮すると下顎が上方に挙上され、上下の歯を咬み合わさせたり、下顎を側方運動させて、臼歯部で食物をすり潰す役目を担っています。支配神経は下顎神経の咬筋神経が分布しています。
2.側頭筋
側頭筋は側頭骨の側頭窩全域を起始として、筋束の付着部位と向きによって前部筋束、中部筋束、後部筋束に分かれています。前部筋束は側頭窩の前方および頬骨の側頭窩面を起始として下方へ向かい、中部筋束は側頭窩中央を起始として前下方へ向かい、後部筋束は頬骨の側頭窩後方を起始として前方へ向かい、すべて下顎骨の筋突起に停止しています。側頭筋は上下の歯を咬み合わせる筋群の中で、最も筋力が強力とされていて、咬合力が必要な肉食動物などで発達しています。側頭筋の前部筋束が収縮すると下顎が上方へ挙上され、中部筋束が収縮すると下顎は後上方に挙上されます。支配神経は下顎神経の深側頭神経が分布しています。
3.外側翼突筋
外側翼突筋は咀嚼筋において唯一の開口筋で、上頭と下頭に分かれる二頭筋で、上頭は蝶形骨の大翼側頭下面の下部を起始として、下顎頭の翼突筋窩、関節円板、関節包に停止しています。また、下部は蝶形骨の翼状突起外側板の外面を起始として、下顎頭の翼突筋窩に停止しています。下頭は下顎頭を前方に牽引し、滑走運動させる役目を担っています。また、両側の外側翼突筋が同時に収縮すると下顎は前方移動し、片側の外側翼突筋のみ収縮すると下顎は側方運動します。支配神経は下顎神経の外側翼突筋神経が分布しています。
4.内側翼突筋
内側翼突筋は蝶形骨の翼状突起翼突窩付近を起始として、下顎骨内面の翼突筋粗面に停止しています。咬筋との協調運動により、両側の内側翼突筋が同時に収縮すると下顎が挙上され上下の歯を咬み合わさせたり、片側の内側翼突筋のみ収縮すると下顎を側方運動させて、臼歯部で食物をすり潰す役目を担っています。支配神経は下顎神経の内側翼突筋神経が分布しています。
本日は矯正歯科でも重要な「咀嚼機能に関わる咀嚼筋群について」というテーマでお話をしました。




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