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「正常咬合への6つの鍵(Andrews)」について

2023.11.25

歯科
皆様こんにちは。
永久歯列期での不正咬合の概念としてAngleの不正咬合の分類はよく知られている一方で、代表的な正常咬合の概念としてはHellmanとFrielの説、Angleのline of occlusion などが知られていますが、本日はストレートアーチワイヤーアプライアンス(SWA)を考案したAndrewsが1972年に提唱したThe six key to normal occlusion「正常咬合への6つの鍵」につきましてお話します。なお、専門用語が使われていますので、ご容赦下さい。
・第一の鍵:上下歯列間の関係について(図1)
上下の第一大臼歯の前後的な位置はAngleⅠ級で上顎第一大臼歯の遠心辺縁隆線が下顎第二大臼歯近心辺縁隆線と咬合していることとしています。つまり、臼歯は緊密な3点接触していて、1歯対2歯の関係によって良好な咬頭勘合が得られる様に排列されていること。
・第二の鍵:歯冠のアンギュレーション(ティップ)について(図2)
歯の近遠心的傾斜、つまり前歯の左右的な方向、奥歯の前後的な方向に関する傾斜が適切であること。つまり歯冠長軸に対してすべての歯冠は近心傾斜していること。 
・第三の鍵:歯冠のインクリネーション(トルク)について(図3)
歯の唇(頬)舌的傾斜、つまり前歯の表側と裏側の方向、奥歯の外側と内側の方向に関する傾斜が適切であること。つまり、上顎切歯以外の歯冠は舌側に傾斜していること。
・第四の鍵:歯冠のローテーション(捻転)について(図4)
咬合面観において歯のよじれ、つまり、前歯、奥歯に関わらず歯冠長軸を中心軸として回転している歯はないこと。
・第五の鍵:歯の接触について(図5)
隣接する歯は緊密に接触しており空隙は見られないこと。
・第六の鍵:スピーの湾曲について(図6)
下顎第二大臼歯の咬頭頂から中切歯の切端を連ねた曲線であるスピーの湾曲(赤線)は平坦もしくは平坦に近い緩やかな弧を描き、下顎第二大臼歯の咬頭頂から中切歯の切端を結んだ直線(黒線)に対して一番深い位置でも1.5mm程度しかない。

本日は正常咬合について、前回の種類に引き続き概念につきましてAndrewsのThe six key to normal occlusion「正常咬合への6つの鍵」につきましてお話しました。Andrewsが資料としたのは石膏の歯列模型を原則としていて静的な咬合状態を基準としており、そこには、理想的正常咬合として本来備えるべき機能的要件や審美的要件が具備されてはおらず、理想的正常咬合に含まれる必要条件であっても十分条件ではないことを知っておく必要があります。
「正常咬合への6つの鍵(Andrews)」について
「正常咬合への6つの鍵(Andrews)」について
監修者】
  矢澤 貴(やざわ たかし)
【略歴】
  東京都渋谷区生まれ 成城中学・高等学校(東京都新宿区)卒業
  1989年 3月 日本歯科大学 生命歯学部 卒業
  1989年 6月 同大学 臨床研修医 着任
  1990年 3月 同大学 臨床研修医 修了
  1991年 9月 磯貝矯正歯科医院(埼玉県八潮市)勤務
  2016年 1月 藤城矯正歯科(東京都世田谷区)勤務
  2017年12月 半蔵門スマイルライン矯正歯科(東京都千代田区)開院
  2023年 4月 日本歯科大学 生命歯学部附属病院 矯正診療科 臨床講師 着任
【在籍・所属】
  日本歯科大学 生命歯学部 附属病院 矯正診療科
  日本矯正歯科学会 認定医 
  東京矯正歯科学会
  甲北信越矯正歯科学会
  米国矯正歯科学会