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最新がん放射線治療について(前編)

2022/06/07

皆様こんにちは。
わが国の3大疾病でありますがんの3大療法をご存じでしょうか。その中の放射線治療は、手術、薬物療法に次ぐ3番目というイメージは否めませんが、今日、照射技術の飛躍的進歩により多くのがんで手術同等の治療効果が得られるようになりました。
放射線治療は切らずに通院で治すことができるため、がんと共存する現代社会にマッチした治療法とも言えます。
放射線治療の特徴や最新情報について、本日は「最新がん放射線治療について(前編)」というテーマで放射線治療の啓発活動も積極的に行っている東京大学医学部付属病院放射線治療部門長 中川恵一先生のお話をします。
図1のとおり放射線治療の対象となるがんは多く、固形がんの根治には、
原則、手術か放射線による局所的療法が必要ですが、消化器系のがんを除いて手術と放射線治療の治癒率は同等と言われています。
男性のがんの罹患率1位の前立腺がんでは、図2のとおり手術と変わらない結果が示されています。
肺がんの場合、手術を第一選択としますが、数回で済む放射線治療も選択が可能です。
喉頭がんの場合、手術により声を失うことがあるため、機能保持できる放射線治療が第一選択とする場合が多いとさています。
食道がんの場合、放射線治療単独では手術より治療効果は劣りますが、抗がん剤と併用する化学放射線療法であれば、手術同等の治療成績が得られる上、食道を温存することができます。
乳がんの場合、病変部分の切除後、再発防止という目的の他、外見の変化が少なく美容的、心理的にも大きなメリットがあります乳房全体に放射線治療を照射する「乳房温存療法」が広がっています。
放射線治療は治療効果が高いにも関わらず、がん患者が他の治療法との併用も合わせて放射線治療を受療した割合についてですが、図3のとおり、欧米が60%前後であるのに対して日本では25%程度しか行われていません。
日本では「がん治療は手術」というイメージが根強いためで、この固定概念は、長年にわたり日本の代表的ながんが胃がんだったことが要因とされています。
1960年代、全がん死亡率のうち男性は約50%、女性は約40%を占めていた胃がんですが、胃は他の臓器とは異なり全摘できる例外的な臓器であることから、手術に向いています。
ということで、わが国では、がんと言えば胃がん、胃がんと言えば手術ということから、「がん治療は手術」という認識が広まったとされています。
生活習慣が欧米化したことで、胃がんの罹患率、死亡率が減少した反面、前立腺がん、肺がん、乳がんなど欧米型のがんが増加している今日では、放射線治療の機会が増えている傾向にあります。
もし、放射線を正常組織に全く照射しないで、がん患部に限局した照射が可能であれば、放射線を無限に照射できるため、副作用はなく、がんを消滅させるとことができます。
この究極的な目標を掲げ、放射線治療の技術的な進歩は急速に進んでいます。
従来の照射方法ですと各ビームの放射線強度が均一なため、がん周囲の正常組織にも同量の線量が当たることになります。
がん細胞に比べて正常細胞の方が放射線によるダメージに対する回復力は高いものの、副作用を抑えることが最優先となるため、照射量の上限は正常組織の耐用線量となるため、がん細胞に十分な線量を当てることができないという弊害がありました。
そのような従来型に対して、コンピューター制御により各ビームの強度に強弱持たせることが可能となった「強度偏重放射線治療(IMRT/Intensity Modulated Radiation Therapy)」という画期的な照射技術が開発されました。
図4のとおり、がんが正常組織を取り囲むようなケースでも、凸型の線量分布を作りがんに放射線を集中させながら、周囲への染料を低減させることで、腫瘍制御率の向上と正常組織への副作用の軽減を両立させることができるようになりました。
東京大学医学部附属病院放射線治療部門では、照射の位置合わせの精度向上や位置合わせから照射までの時間短縮により照射回数の削減を実行しているそうです。
照射精度の向上により治療の短期化が可能となり、例えば前立腺がん治療の場合、従来、週5回、全38回の照射に2カ月間の通院が必要でしたが、1回の照射時間は100秒、隔日5回の通院、早期肺がんの場合は、平日4日連続、4回の通院で済むようになり、日常生活への負担もほとんどなくなったようです。
図5で、放射線治療の前後画像を見比べると、治療後はかさぶたが少しずつ小さくなって消えるように、がんが無くなっているとおり、放射線治療はがんが大きくならないように抑えるために行うと捉えられがちですが、がんを消失させることが可能なのです。
「放射線で焼く」という表現がありますが、照射した患部の温度は1/2000℃ほどしか上昇しません。
がんの焼灼による消失ではなく、放射線によりがんの遺伝子が切断され、細胞死を引き起こすことによります。
また、がん細胞は巧みにがん抗原を隠すため、免疫細胞は異物と識別できないのですが、放射線を照射することで、性質がわずかに変化し、異物と認識できるようになります。
つまり、抗原性が高まることで免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくなるので、放射線治療は広義の免疫療法とも言えるかもしれません。
本日は中川先生の非常に興味深いお話でした。今後、さらなる放射線の照射技術の向上により、将来、手術に代わって、がん治療の第一選択肢になることを期待したいと思います。

最新がん放射線治療について(前編)
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