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小児の口唇閉鎖不全について

2021/07/09

皆様こんにちは。
本日は「小児の口唇閉鎖不全について」というテーマでお話をします。
新潟大学大学院医歯学総合研究科小児歯科学分野 齊藤一誠准教授らの研究グループが、全国小児歯科開業医会(JSPP)の協力を得て、大垣女子短期大学歯科衛生学科の海原康孝教授および鹿児島大学病院小児歯科 稲田絵美講師らの共同研究により、わが国で初めてお口がぽかんと開いた「口唇閉鎖不全」に関する全国大規模調査を行い、小児における同疾患の有病率を明らかにしました。
ちなみに本研究成果は2021年1月21日に「Environmental Health and Preventive Medicine」に掲載されています。

小児期の口や顔面の骨格、筋肉などの軟組織、咬合、歯列弓は、全身的および局所的な要因により、顎顔面の成長と発達が阻害されることで問題が生じます。
特に「異常な話し方」「嚥下習慣」「舌突出癖」「口唇閉鎖不全」「口呼吸」「異常な食習慣」などの口腔習癖は、子供の健康なお口の機能の発達に悪影響を与えます。
とりわけ、お口をぽかんと開けた「口唇閉鎖不全」、口唇や顔の「表情筋の弛緩と過緊張」や「口呼吸」、不自然な「口唇の長さや鼻の下から下顎の大きさの増加」などと関連性があるとされています。
また、口唇の形態、機能、位置は、それぞれ相互に影響を及ぼしながら発達し、徐々に話し方や対人コミュニケーション能力が向上します。
一方、口唇を閉鎖する筋力である「口唇閉鎖力」が弱くなると、歯を取り囲む口唇・頬と舌の圧力バランスが崩れると、上の前歯が「前方傾斜」したり、上顎の左右の奥歯の幅が狭い「上顎歯列弓の狭窄」などの「不正咬合」が生じるとされています。
そのため、「不正咬合」と「口唇閉鎖不全」とは関連性が高いと考えられています。
これまでわが国で行われた小規模な横断的研究によると、口唇閉鎖不全の有病率は年齢とともに低下することが報告されており、「口唇閉鎖不全」の有病率は人種や生活環境などによっても異なる場合があるようですが、
わが国における子供の有病率を評価するため、同研究グループは全国的な大規模調査研究を行い、口唇閉鎖不全の有病率が、実際、年齢や地域によって異なるのかどうかを検証し、さらに、どのような要因が口唇閉鎖不全に関連しているのかを調査しました。
全国小児歯科開業医会(JSPP)の協力の下、全国における小児歯科を専門に診療している66の歯科医院で実施したもので、具体的方法としては、定期的に受診している3歳から12歳までの3399人の子供を対象に、日常の健康状態や生活習慣に関する44の質問項目のアンケートを行い保護者に回答を依頼したそうです。
集計結果は年齢別に全国を6つの地域に分けて行い、実際に口唇閉鎖不全の有病率に年齢差や地域差があるかどうか検証したそうです。図1、図2、図3のとおり日本人の子供の実に30.7%が口唇閉鎖不全を示し、年齢とともに有病率は増加していたが、地域差は見られないという結果を示しています。
また図4のとおり、44項目の質問のうち「唇に締まりがない」「鼻が詰まる」「音を立てて食べる」など12項目については口唇閉鎖不全に関連しているという結果を示し、顎顔面形態や位置だけではなく、口呼吸やアレルギー性鼻炎なども関連していることが明らかになったようです。

また近年、子供のお口の健康な発達がとても重要であることが、徐々に明らかになってきており、同研究グループが行った小児の口唇閉鎖不全に関する研究成果などがエビデンス(科学的根拠)として認められ、2018年4月から歯科保険診療において「口腔機能発達不全症」に関する新病名のもと、「小児口腔機能管理加算」が保険収載され、2020年4月からは「小児口腔機能管理料」、「小児口唇閉鎖力検査」が新設され、口唇閉鎖不全が保険診療の対象となりました。
このことは、従来の歯科治療の中心であった虫歯治療などの硬組織形態に関する疾患修復モデルから「食べる」「話す」「呼吸する」といった口腔機能に関する障害改善モデルへのシフトが徐々に進んできていることを意味しています。

同研究グループは本研究結果から子供の口唇閉鎖不全は、成長期において自然治癒が困難な疾病であるという見解を示しています。
また、同研究グループは、今後さらに口唇閉鎖不全の病態解析や改善法を確立させ、お口をぽかんと開けた「口唇閉鎖不全」に対するガイドラインの策定が必要であるとしており、子供の健やかな成長発育を目指し、より一層、「食べる」、「話す」、「呼吸する」という子供の口腔機能に関する基礎・臨床的な研究を推進していきたいとしているそうです。

今回は、「小児の口唇閉鎖不全について」というテーマでお話をしました。
日本人の子供の30.7%が口唇閉鎖不全であるという集計結果に愕然としました。
成長期の子供たちに対して、口腔習癖の改善のための筋機能療法に重点を置いた治療を心掛けていきたいと思いました。

小児の口唇閉鎖不全について
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