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がんの診断に関わる「マイクロRNA」について(前編)

2019/11/27

皆様こんにちは。

現在、血液、尿、唾液などの体液でがんの診断を行う「リキッドバイオプシー」の研究開発が行われています。

その中で1回のわずかな採血から13種類ものがんを早期発見できるという血液中の「マイクロRNA」に注目が集まっています。

本日は、その「マイクロRNA」について、前編・後編に別けて、プロジェクトリーダーである東京医科大学医学総合研究所分子細胞治療研究部門 落谷孝広 教授のお話をします。


国立がん研究センター「がん登録・統計/最新がん統計」によると日本人が生涯、がんに罹患する確率は男性で62%、女性では47%と高いようです。

がんになった場合、身体的・精神的、さらに経済負担を強いられ、国民医療費の増大にもつながります。

がんの多くは早期発見・治療で根治が可能となったにもかかわらず、厚生労働省「平成30年度がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン」資料によりますと、がん検診の受診率は50%を下回るようです。

早期発見が大事だということは一般認識としてあるものの、このように受診率が低いのは、背景に時間と費用の問題があるようです。

現在、胃がんでは胃部のX線検査や内視鏡検査、肺がんでは胸部X線検査、大腸がんでは便潜血検査、乳がんではマンモグラフィーとがん別に検査を受けなくてはならない上、いずれも非侵襲ではなく、検査によっては多少の苦痛や不快感を伴うことになります。

それに対して極めて侵襲性が低い「リキッドバイオプシー」という検査方法は極めて侵襲性が低く、採血が苦手な人でも健診などの際に行う血液検査でついでに検査を受けられる手軽さと一度に複数のがんを鑑別できるため、がん検診ハードルを下げられることができます。

国立がん研究センター(NCCNational Cancer Center)を中心としたプロジェクトである「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」が開発したのが、前述した血液中の「マイクロRNA」を使って13種類のがんを鑑別する方法です。

この‘がん細胞のメッセージ'である「マイクロRNA」は22塩基程度の小さなRNAのことで、たんぱく質生成情報を持たず、細胞の老廃物の運搬を行うと考えられていたようですが図1のとおり、「マイクロRNA」は、ほぼすべての細胞から分泌されている「エクソソーム」というカプセルに入った状態で周囲の細胞に運ばれ、細胞間の情報伝達という働きがあるということが解明されました。

「マイクロRNA」は遺伝子の発現調節機能を有し、ホメオシタシスや疾患の発症・憎悪に関わっており、がんになると血液中の特定の「マイクロRNA」量が増えたり、健常者にはない種類が検出されたりするため、健常者とは異なる「マイクロRNA」の変動を捉えて、がんの有無を高い精度で検出することができます(図2)。

ヒトの「マイクロRNA」2588種類のうち、「マイクロアレイ解析」によると血液中の「マイクロRNA」は500~600種類だそうで、そのうち13種類のがんの鑑別に関わるのは100種類程度で、1つのがんの鑑別に使用する「マイクロRNA」は3~5種類だそうです。

「マイクロアレイ解析」とは、数種類の遺伝子の発現を比較する「サブトラクション法」という比較的古くから知られている実験原理を応用したものだそうで、これにより、ごく短時間に一度に、数十万単位の遺伝子の発現を解析することが可能となります。


また、血液によるがんの診断として「腫瘍マーカー」という方法もあります。

がん細胞は大きくなることで、中央部は酸素や栄養が不足し壊死することで、免疫細胞に攻撃されやすくなります。

この様に壊死や損傷したがん細胞のDNA断片を検出するという方法が「腫瘍マーカー」ですが、がんがある程度大きくならないと検出ができないため、早期発見には不向きという欠点があります。


一方、「マイクロRNA」は「エクソソーム」内にあるため分解されず、安定していて検出しやすいのが特徴で、この「エクソソーム」はがんが初期の段階から分泌されるため、早期がんでも発見できるという長所があります(図3)。

図4のとおり、検査対象となる13種類のがんには、罹患率の高いがんの他、3年生存率が約15%と死亡率の高い難治がんである「膵臓がん」や、若年者に多い希少がんとされる「肉腫」などのがんも含まれていて、NCCでは、一般の医療機関では取り組みにくいがんの研究・診療の強化が求められています。

検査の精度についてですが、例えば「乳がん」については感度97%、特異度92%で、早期発見が難しいとされる「膵臓がん」では感度98%、特異度94%と、がんの種類を問わず、高い数値を示しているだけではなく、ステージ別の検証においても、「卵巣がん」の場合、ステージⅠでも95%陽性と診断でき、一次スクリーニングとしての精度も高く、早期発見についての有用性も期待できます。

この国立がん研究センター(NCCNational Cancer Center)を中心とした「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」は2019年3月をもって終了しており、その研究成果は米国科学誌「JAMA Network Open」に524日掲載されているそうです。


現在、体外診断薬としてプロジェクトに参加したメーカーが実用化を目指す中、今年4月より「東レ」が「膵臓がん」と「胆道がん」の検査に対し、「先駆け審査指定制度」の指定を受け、近い将来、実用化に期待されています。

そんな中、今年11月25日、「東芝」が血液1滴から13種類のがんを99%の精度で検出する技術を開発したと発表しました。

今後の取り組みとして、2020年より、新たながんと診断された患者さんなt度を対象に大規模な実証実験鵜を開始し、2020~22年には、人間ドッグの血液検査などで実用化を目指いしているようです。さらに将来、国の承認を取得し、公的保険が適応されることを目指すとともに、13種類のうち、どのがんに罹っているかを特定する技術開発の進めるようです。東芝の半導体などの技術を活用し「マイクロRNA」を電気的な方法で検出するというもので、感染症の検査で販売している遺伝子チップをもとに開発した専用の小型検査装置を使うため、検査時間は採血してから2時間以内に出るため、即日検査が可能になるようです(図5)。

また、大きさが1cmに満たない早期のがんでも発見でき、医療現場ではこの検査を受けた後、土の臓器にがんがあるのかを画像診断などで確認するという流れになるようです。「東レ」は「膵臓がん」と「胆道がん」という特定のがんを対象としているため、多数のがんを検査する場合、数万円かかる見通しですが、「東芝」は13種類のいずれかのがんに罹っていることが1度でわかり、「東レ」などの他社の数分の一程度の時間で結果が出る上、検査費用も約2万円程度に収まるようです。ちなみに今年4月18日、「日立製作所」は線虫を用いて被検者の尿を検査するという方法で、がんを早期発見するという技術研究を「HIROTSUバイオサイエンス」と共同で行うことを発表しました。

「HIROTSUバイオサイエンス」は、九州大学のベンチャー企業で、線虫ががん患者の尿には近づき、健康な人の尿からは離れるという特性を利用し、自動で解析する装置を用いたがん検査法「N-NOSE」の実用化を目指しているそうです。同社の臨床研究結果によると、がんであると判定する精度は93.8%と高い上、線虫は飼育コストが安価なため、検査費用のコストを低くできるという利点があるそうです。


本日は落合先生の大変、興味深いお話をさせて頂きました。

手軽に安価に行えるがん検診が普及することで、早期発見・治療に繋がり、敷いてはがん死亡率の低下に繋がってほしいものです。

がんの診断に関わる「マイクロRNA」について(前編)
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