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音楽と心の深い関係について

2021/04/26

皆様こんにちは。

音楽は入学、卒業、結婚などの人生の節目、嬉しい時、悲しい時、辛い時など身近なもので、音楽で励まされたり、慰められたり、勇気を与えられたりなど誰もが経験していることと思います。

本日は「音楽と心の深い関係について」というテーマで、音楽が脳や心に与える影響や様々な疾患に応用されている「音楽療法」について、研究・実践をされている国立音楽大学 音楽文化教育学科 教授で精神科医でもある阪上正巳先生のお話をします。

 

音楽を聴きながら眠ってしまったり、カラオケでストレス発散したり、音楽による効果は皆様も日常的に体験していることと思いますが、音楽が何故、人の気分に影響を与えるのでしょうか。

音楽の作用は、感情や記憶の誘発や高揚、鎮静、浄化といった「心理的作用」、脈拍、呼吸、血圧などの体に直接的影響を及ぼす「生理的作用」、さらに一緒に歌ったり、演奏することで協調性や一体感を生むことで他人との関わり持てる「社会的作用」があります。

一般的に「長調」の音楽は明るく楽しく、「短調」の音楽は暗く悲しいと感じるそうですが、音楽の感じ方には個人差があるため「悲しい時にはこの音楽」というものはないようです。

 

同じ人が、同じ曲を聴いてもその時々の心境や状況によって受け止め方が異なることがあったり、今までどんな曲に触れてきたのか個人個人の音楽環境によっても同じ曲でも捉え方が異なるようです。

また、音楽の情報は脳の深部から表面へ、つまり古い脳から新しい脳へと伝わるようで、図1では人はどのように音楽を認知するのかを示しています。

音楽は生命活動を担う部分から入り、演奏をする際に大脳新皮質も使われていますが、興味深いのは、音楽的感動を生むというメカニズムは、音を知覚・認知する大脳新皮質を通る回路とは別に、直接的に情動の中枢である大脳辺縁系に働きがけるようです。

音楽により「気分の転導」「励まし・慰め」「感情の記憶・誘発」「リラクゼーション」「発散」「脳神経系や自律神経系の作用」など様々な効果が期待できる。

そんな音楽を日常生活にうまく取り入れるために「自分の好きな音楽を聴いたり、演奏したりと音楽に触れる機会を増やし、自分の音楽の履歴書を作成する」とよいそうです。

具体的な方法としては、図2のとおり人生の色々な場面でよく聴いた音楽を時系列に書き留め、リストを見返すと自分がこうした音楽体験に支えられてきたということを実感できます。

 

音楽が持つ力を治療に応用したのが「音楽療法」で、日本音楽療法学会では、「音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」と定義されていて、同学会認定の音楽療法士は約3000人いるそうです。

3のとおり音楽療法には音楽を聴くという「受動的方法」の他、歌う、演奏するという「能動的方法」の2つがあります。

現在、音楽療法の「受動的方法」の主流は「音楽によるイメージ誘導法(GIMGuided Imagery and Music)」というもので、音楽療法士はクライエント(患者さん)と一緒に音楽を聴きながら、音楽によるイメージを膨らませながら会話し、聴き終わったらその音楽について話し合うというものだそうです。

例えば「今どんなことをイメージしていますか?」と音楽療法士は尋ね、クライエントが「遠くに湖が見えます」と答えたら「もう少し湖に近づいてみますか?」などと音楽によるイメージを膨らませるというものです。

GIMはクライエントの無意識の感情を探索するもので、音楽療法士はその旅のガイド役を担いますが、無意識領域の感情が表に出るため、音楽に反応し過ぎて幻覚妄想が悪化したり、体調を崩したりする場合もあるので、統合失調症などの自我構造がもろい精神状態での活用は禁忌とされており、ストレス関連疾患などの非精神病圏の適応となるようです。

「能動的方法」としては、即興演奏することもありますが、音楽に影響されやすい統合失調症の場合、活用に工夫が必要になるそうです。

阪上先生と活動を共にしていた音楽家たちは工夫をこらし、自身で作曲した2音の反復や簡単なフレーズの「パート譜」をクライエントたちに配布し、合奏した結果、美しい音楽となり、それに引き込まれたクライエントたちの集中力や現実認知の向上に役立ったそうです。

図4のとおり日本で音楽療法が広く実践されているのが、精神疾患、高齢者、知的障害・発達障害の子供に活用されています。

高齢者の場合、音楽活動により記憶の活性化と同時に感情がよみがえることがあります。

例えば、認知症の高齢者が昔よく聴いていた音楽を聴くことで、これまで無表情だったのが、一転して目を輝かせて歌うようなケースも少なくなく、認知症を伴う周辺症状(BPSD)にも有効であるというエビデンスも報告されています。

子供の場合、即興演奏を行います。

即興演奏により、子供は太鼓やベルなどの楽器を使ったり、歌ったり、手足を揺さぶったり、自由に表現します。音楽療法士が子供のテンポやリズムに合わせて旋律や和声をつけるなどして、音楽を通して意志の疎通を図り、コミュニケーション能力や社会的な適応能力、情操の発達を図ります。

音楽療法の導入はリハビリで増加しています。

脳卒中の場合、脳の損傷が見られますが、脳全体で音楽を楽しむ機能は残存しやすいようです。

音楽に関わる脳が頑丈なことをリハビリに活用し、脳の可塑性を促し神経ネットワークの再構築を図るというものです。

音楽療法が効果的なのが、左脳の損傷で生じる失語症に対するリハビリで、音楽を理解する右脳を刺激して、左脳に働きかけるというメカニズムを利用するというものです。

単に発話を真似させても言葉は出てきませんが、節回しやリズムと組み合わせ左手でリズムを取りながら、発語するリハビリを継続すると、言語能力の回復が見られるそうです。

一般に単調で飽きやすく、辛いというリハビリですが、音楽療法では音楽を通じて喜びが伴うため、継続できるモチベーションになります。

一般的な音楽療法の場合、臨床的な目的を前提に音楽を手段として利用しているのに対して、音楽中心の音楽療法では音楽を聴いたり、演奏したり、音楽に関わることを前提としているために、臨床的変化についてはこだわらないという捉え方です。

病気や加齢で音楽を楽しめなくなった人が、音楽に感動することで、QOLの向上や障害の改善が見られ、文化中心の音楽療法の実践は「コミュニティー音楽療法」とも言われています。

限られた時間と閉ざされた空間でクライエントを治療するだけではなく、音楽療法士がクライエントを取り巻く環境や関係性に働きがけ、それらを変えて行くというのが狙いです。

エビデンスが乏しいと思われがちな音楽療法ですが、一定の効果が認められていて、今後はエビデンスの積み重ねにより、音楽療法を取り入れる場面が増えていくことが大いに期待されます。

 

本日は大変、貴重な阪上先生のお話でしたが、ストレス社会と呼ばれる現代、身近な音楽が脳や心へ「癒しの効果」があるということがわかりました。

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