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笑いの健康効果について

2018.03.14

未指定

今回も矯正歯科とは直接関係ないのですが、「笑い」の健康効果についての最新研究と日常生活に「笑い」を増やす具体的方法について福島県立医科大学医学部免疫学講座 大平哲也先生のお話をします。

 

「微笑み(smile)」とは目じりが下がる、目が「三日月形」になる、頬が上がる、口角が上がるといった「表情」による「感情」表現であるのに対して、研究上の「笑い(laugh)」とは「行動」を伴う「身体的反応」と定義されるようです。

「微笑み」とは異なり、笑うという行動は「笑い顔」と「笑い声」からなり、「笑い顔」とは「歯が見えること」、「笑い声」とは「ハハハッ」という「発声」を伴うのが特徴だそうです。

また、笑いの頻度は会話の時間と強い相関性があり、「笑顔」から「笑い」が生まれる環境を作ることが大事なのだそうです。

 

「微笑み」でも「ストレス解消効果」が得られるようですが「笑い」は腹筋を使うため「有酸素運動による効果」の他、NK(ナチュラルキラー)細胞の活性による免疫機能の向上、関節リウマチの緩和、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の呼吸機能改善、抗うつ作用、アトピー性皮膚炎のアレルギー反応の軽減など様々な効果があるようです。

笑うことで交感神経の緊張が緩和されるため、特に糖尿病に有効だと考えられていて、治療に「笑い」を導入した研究では、通常治療群に比べヘモグロビンAc(糖化ヘモグロビン)の改善効果が認められたそうです。

またストレスは交感神経を緊張させるため、心筋梗塞や脳卒中の大きな危険因子になりますし、 「笑い」の頻度が低いほど認知機能の低下の他、嚥下機能の低下が認められるため、笑うことで「誤嚥性肺炎」の防止につながるかもしれないという見解です。


また、笑うことに対しては、その理由が重要なのではなく、笑うという行動自体にストレス軽減効果があるということですので、大平先生は、笑いに偏りが生じる落語や漫才ではなく、「笑い」を体操にしてヨガの呼吸法を組み合わせた「笑いヨガ」がお薦めだそうです。

中々、笑えない人は笑顔を作ってみることが大事で笑顔でいると声を掛けられやすくなりますし、会話が始まれば、笑う機会も増えます。

また笑い伝染するので他人との共有することでたくさん笑えます。

糖尿病の患者さんに対して「毎日、笑っていますか?」と聞き、「笑い」を「行動」として認識してもらうことが大事だということだそうです。


最後に、医師自身が薬となって患者さんに「笑顔」や「笑い」を処方してみてはいかがでしょうか?

というお話でしたが、私にも今日から実践できる良いお話でした。