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矯正治療の目的と意義について

2023.07.06

歯科
皆様こんにちは。
本日は「矯正治療の目的と意義について」というテーマでお話します。

「健康とは病気ではないとか、(体が)弱ってないという事ではなく、肉体的にも精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態にあること」と世界保健機関(WHO : World Health Organization)憲章では定義しています。
不正咬合(歯並びや咬み合わせの不正)によって、顎口腔領域での摂食、咀嚼、発音などの障害が出たり、審美性が失われることで、社会生活での不都合や心理的障害に繋がり、患者さんのQOL(quality of Life)の低下を招きます。
QOLとは生活の質の向上を言いますが、患者さんの苦痛の軽減という意味も含みます。
この様に顎口腔機能や心理的、社会的な障害を予防、抑制、回復することで患者さんのQOLの向上を図ることが矯正歯科治療の目的です。
矯正歯科治療は、矯正力を利用して歯の移動、顎骨の形態変化を起こすという歯科医学上、特異的な治療手段ですから、術者は積極的に他の医科や歯科専門領域と連携協力しながら、様々な疾患に対して患者さんにより良い総合的な治療をご提供できる様に協力する役割も担っています。
歯科医療領域での矯正歯科治療の役割は、顎口腔機能障害に対する予防、抑制、治療だけではなく、成長期の患者さんの正常な顎顔面頭蓋の成長発育を誘導することで、顎口腔領域や全身の健康を維持増進させ、QOLの向上にも一役買っていると思われます。
また成人や高齢者が補綴処置などを行う際、矯正歯科治療により残存歯の位置や傾斜など修正することで、より良い治療結果が得られることにも繋がります。
矯正歯科治療により不正咬合を改善しておくことで、やがて成人や高齢者になった時、保存処置、補綴処置が無理なく施術できる環境を整備することにも役立つことになると思います。
この様に歯科治療全体の質の向上に矯正歯科治療が関わることで、高齢者社会において、加齢による衰えの一つとされる咀嚼や嚥下機能の低下や滑舌の悪化など、顎口腔機能が低下しつつある状態であります「オーラルフレイル」の進行防止や高齢者のQOLの向上に繋がる意義もあるかと思われます。
本日は私にとりまして原点にもう一度、立ち返る意味で、歯科矯正治療の目的と意義についてお話しました。

矯正治療の目的と意義について
監修者】
  矢澤 貴(やざわ たかし)
【略歴】
  東京都渋谷区生まれ 成城中学・高等学校(東京都新宿区)卒業
  1989年 3月 日本歯科大学 生命歯学部 卒業
  1989年 6月 同大学 臨床研修医 着任
  1990年 3月 同大学 臨床研修医 修了
  1991年 9月 磯貝矯正歯科医院(埼玉県八潮市)勤務
  2016年 1月 藤城矯正歯科(東京都世田谷区)勤務
  2017年12月 半蔵門スマイルライン矯正歯科(東京都千代田区)開院
  2023年 4月 日本歯科大学 生命歯学部附属病院 矯正診療科 臨床講師 着任
【在籍・所属】
  日本歯科大学 生命歯学部 附属病院 矯正診療科
  日本矯正歯科学会 認定医 
  東京矯正歯科学会
  甲北信越矯正歯科学会
  米国矯正歯科学会